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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」⑭【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】

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 テレビを見ながら、スマホを見ながらの食事は消化によくありません。

 食べることから意識が離れてしまうのが問題なので、いろいろと考え事にとらわれるのも消化の妨げになります。

 ある意味、もっと消化に悪いのがストレスです。

 お仕事のトラブル、やっかいな人間関係、お金の心配……

 ぼくも見た目以上に打たれ弱いタイプなので、締め切りギリギリで追い詰められたりすると、唾液が出なくなり、口の中が干上がってしまうことがあります。食事の時間になっても、唾液はゼロ。食べ続けているあいだ、ずぅ~とゼロ! 

 唾液は胃酸や消化酵素とも連動していますから、消化の態勢はぜんぜん整っていないはずです。



 食事に意識をあわせ、おいしい刺激に包まれながら食事をしている時には、副交感神経が優勢になります。それによって、消化にかかわる組織が刺激され、活発に働き始めます。











 ストレスがかかっている時には、主に交感神経が刺激されます。交感神経は消化器の働きを抑えてしまうので、唾液、胃酸、消化酵素の機能は全体的に低下します。












 悩み事や心配事で頭がいっぱいになってしまうと、食事の時間が来たからといって簡単に切り替えられるものではありません。簡単に気持ちをリセットできるくらいの問題なら、そもそもそこまで悩んでいないですよね。それは分かります。ハイ。

 でも、毎日憂うつな気分で食事をしていては、栄養素を満足に吸収できない状態が続いてしまいます。栄養不足になれば、トラブルを克服する気力も体力も湧きません。

 いろいろと大変なことはあるでしょうが、食事の時間は、食べたものをしっかり消化し、吸収することが自分にできる一番いいことなのだと強く意識して、気持ちを切り替える必要があります。

 悩み事のせいで唾液が出ないようなら、酢の物やマリネなど、酸っぱい料理を食事の最初に摂るようにしましょう。できれば、お料理の支度をしている時から、少しつまみ食いをするといいです。ごく少量でかまわないので、口にふくんでよく味わいます。

 個人的には、葉わさびの三杯酢漬けや新しょうがの甘酢漬けが、唾液の分泌を促して、食欲を高めるのに一番効果があると感じています。伊豆に暮らし始めて7年ほどになりますが、「伊豆のとっても好きなところ」の一つは、ほぼ一年を通して葉わさびや茎わさびを買えることです(さすがに花わさびが出回る時期は伊豆でも短いです)。

 もう一つ、唾液を出すのに効果があるのが、気持ちを落ち着けて、お料理をしっかり「見つめて」食べることです。見つめることで、自然と意識が食べることに移ります。

 「頑張って唾液を出さなくちゃ」とか、「食べる時はストレスを忘れよう」とかいろいろ考えるより、頭をカラッポにしてただ見つめるだけの方がいいこともありますよ。

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