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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」⑨【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】

 胃酸が足りないと、ビタミンやミネラルの吸収も悪くなります。

 中でも影響を受けやすいのが「鉄」。日本人(特に月経のある女性)にもっとも不足しやすい栄養素の一つです。


 鉄不足の兆候としてよく知られているのは、めまい、からだが重い、だるい。

 精神面の影響も出やすいです。うつ、イライラ、ストレスに弱いなど。

 記憶力や学習能力も低下しますから、学生さんにとっても鉄は大切。鉄不足のせいで本来の実力を発揮できずにいるとしたら、もったいないです。


 からだの中の鉄を増やす方法としては、レバーや鉄サプリが思い浮かぶでしょうが、胃酸の分泌を促す食べ方も有効です。食品に含まれている鉄は大きく分けて、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の二つのタイプがありますが、どちらも胃酸が足りないとうまく吸収できないからです。



 鉄がすっぽりおさまるケースのような分子があります(名前はポルフィリン)。このケースと鉄が一体化したユニットが、「ヘム」とか「ヘム鉄」とか呼ばれています。食品の中では、ヘム鉄はタンパク質につつまれた状態で存在しています。








 ヘム鉄を吸収するためには、まずタンパク質から解放してあげないといけません。それには、もつれた糸を解きほぐし、ペプシンでアミノ酸のつながりをカットする必要があります。胃酸が足りないと、ほぐしもカットもうまくいきません。







 「非ヘム鉄」は、ケースにもタンパク質にも包まれていません。鉄がひとりぼっちでいる状態です。胃の中に入ってきた段階では、「3価鉄」と呼ばれるかたちをしているのですが、これを「2価鉄」に変えないと吸収することができません。







 ここで重要になるのが、胃液のpHです。胃酸がしっかり分泌されていて、胃液が強い酸性であれば、3価鉄をスムーズに2価鉄に変えられます。











 鉄は、胃を出たらすぐの場所、小腸の一番上の部分(十二指腸)から吸収されます。ですから、吸収のための下処理を胃の中でキチンと終わらせておくことが大切になるのです。








 胃酸の分泌が不十分だと、食事からしっかり鉄を摂っていたとしても、からだの中の鉄が不足する可能性があります。その場合、レバーや鉄サプリをプラスしても、根本的な解決につながりません。


 そこで、まず試していただきたいのは、「おいしい刺激に意識を合わせる」食べ方です。うまくいけば、それだけで体内の鉄を増やせるかもしれませんし、鉄サプリの吸収を助けるサポート役も期待できます。

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