食物繊維には、大きく分けて2つのタイプがあります。
「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」です。
「ベータ・グルカン」って、聞いたことはないでしょうか?
これも食物繊維の一種で、大麦やキノコ類に豊富です。
ベータ・グルカンの中もいくつかの種類があり、大麦などに含まれているのは、水溶性のベータ・グルカン。霊芝やマイタケなどのキノコ類に多いのは不溶性のベータ・グルカンです。
ベータ・グルカンは、ブドウ糖がつながって作られています。
これは、でんぷんやセルロースと同じ。ただ、つながり方が微妙に異なります。
そして、ベータ・グルカンのつなぎ目を切るハサミ(=消化酵素)は、ヒトの消化管には用意されていません。
サラッとおさらいしておきますと……
でんぷんは、カットしてくれるハサミがあるので、消化管から吸収されます。
セルロース(不溶性食物繊維)にはハサミが用意されていないので、消化も吸収もされません。
麦飯に豊富な水溶性のベータ・グルカンはどうなるでしょうか。
カットしてくれるハサミはないはずですが……
なぜか消化管トンネル出口には現れず、途中で消えてなくなります。
実は、水溶性食物繊維は腸内細菌によってバラバラにされているのです。
腸の中に住み着いている細菌たちは、ヒトと違った特別なハサミを持っています。
それを使って、水溶性食物繊維のつなぎ目を切ることができるのです。
腸内細菌は、糖をゲットすると、パクパク食べまくって、エネルギーを得ています。その際に、糖のかけらを食べカスのように吐き出します。
うまくできているもので、この「食べカス」が、ヒトにとって役に立つのです。
前回のお話も含めて簡単にまとめておきますと、不溶性食物繊維は、便の中にもぐり込んで、便通を助けてくれます。
水溶性の食物繊維は腸の中で分解され、もともとのかたちはなくなってしまうのですが、とっても重要な分子に姿を変えて、腸や全身の健康を支えてくれています。
それについてはまた次回
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