栄養学講座の生徒さんから、こんな質問をされました。
「『すっぽんやフグを食べた次の日はお肌のハリが違う!』とよく聞きますが、本当なんですかね?」
一方では、「コラーゲンをたっぷり摂っても、それでからだの中のコラーゲンが増えるとは限らない」とも聞きます。
「実際のところはどうなのでしょう」
というご質問ですね。
コラーゲンは主に3種類のアミノ酸から作られています。グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンの3つです。
食事などから摂ったコラーゲンは、消化管の中でバラバラに分解されて、アミノ酸になります。ですから、吸収される時は、コラーゲンではなく、アミン酸になっています。
このアミノ酸ですが、からだの中でコラーゲンを作る材料として利用されるとは限りません。他の用途に回される可能性もあります。
コラーゲンを摂っても、からだの中のコラーゲンを増やせる保障はないのです。
それはそうなのですが、それでもコラーゲンが豊富な食材を食べておくことには意味があります。
「人間のからだの中にあるタンパク質の約3分の1はコラーゲン」と言われています。
当然、コラーゲンの材料となるアミノ酸も大量に必要になります。
人体でコラーゲンを作る際に中心となる材料はグリシンとプロリン。
どちらも「条件付き非必須アミノ酸」とされています。
これは、「からだの中で作ることのできるが、人によっては不足してしまう可能性があるアミノ酸」という意味です。
食事内容が悪いと、からだの中でコラーゲンを作る材料が不足してしまうかもしれません。コラーゲンが豊富な食材を時々食べておく方が、からだは助かるはずです。
また、コラーゲンを完成させるにはビタミンCも必要です。お肌プルプルのためにコラーゲンを摂る人は、ビタミンCもしっかり補給しておきましょう。
コラーゲンは、牛すじや豚足に豊富ですが、普通のお肉にもしっかり含まれています。すっぽんやフカヒレのような高級食材に頼らなくても、十分摂ることができますよ。
Comments