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野菜

​丸元康生のスンナリ栄養学

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消化と吸収を助ける「ヨガ的な食事」④ 【by 平田ホリスティック教育財団 理事 丸元康生】


 

 

 食べていることに意識を合わせていれば、唾液の分泌が促されます。

 合わせていなければ、唾液は出ません。

 このことは、簡単に体感できます。


 ためしに、食事をしながらテレビやスマホに1、2分集中してみてください。

 続いて、意識をスパッと切り替えて、観察してみましょう。

 唾液がぜんぜん出ていなかったことに、気づかれるのではないでしょうか?

 食べているものの味も、ほとんど感じていなかったはずです。

 今度は、食べることに意識を合わせてみると、唾液も出てきて、味も感じ始めるでしょう。


 スマホなどに集中している時には、食べることと脳が繋がっていない状態になっていたということですね。

 そもそも、食べても味を感じないなら、おいしい料理を用意してあげても、意味がありません。せっかくお料理を作ってくれた人に対して、失礼すぎる食べ方ですよね! 


 食品には、甘味、酸味、うま味などを感じさせる成分が含まれています。こうした「味の成分」が唾液の中に溶け込んで、舌の表面にある味蕾に触れることで、味を感じることができます。ですから、唾液の分泌が少ない時には、食べものの味を満足に感じることができないのです。


 スマホの画面を見る時にはうつむきがちになりますが、この姿勢は舌下腺などの唾液を分泌する組織を圧迫するため、唾液の分泌を悪くします。

 また、スマホやテレビなどに夢中になって一点を凝視していると、交感神経が優位になります。これも唾液の分泌を減らしますし、その先の胃酸や消化酵素の働きも悪くします。


  唾液にはでんぷんを分解する消化酵素が含まれていて、食べたものを消化・吸収する流れ作業の大切な第一歩になっています。もし、唾液がろくに出ていないとしたら、消化のリレーチームは、第一走者でコケてしまっている状態なのです。


 食品の中には発がん物質を含むものもありますが、唾液には、発がん物質の持つ凶悪な変異原性(正常な細胞を異常な細胞に変えてしまう作用)を抑える、「毒消し」効果も期待されています。これは、唾液に含まれている、「活性酸素を消してくれる酵素(カタラーゼやペルオキシダーゼ)」の働きによるものと考えられています。


 発がん物質が大量に含まれている可能性のある「極めて危ない食品」を避けるのは、もちろん大切です。でも、地球全体に汚染が拡大している今の時代、完全にクリーンな食材だけを食べ続けることは難しいでしょう。「多少危ないかもしれない食品」とも、どうしてもお付き合いしていかないとなりません。

 その環境の中で、自分を守るためにもっとも有効でもっとも簡単に実行できる方法の一つが、食べることに意識を合わせて、丁寧によく噛んで食事をすることだと思います。

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